スマートブレーカーがささせる、より安全で快適なエネルギー豊かなすまい
インテリジェントな電化が実現する、安心・快適な暮らしとエネルギーマネジメント
ガレージでは電気自動車 (EV) が充電され、リビングではコーヒーメーカーが音を立てて豆を挽いています。日が昇るとソーラーパネルが家庭用の電力を供給し始め、余った電気はグリッドに送り返されます。スマート サーモスタットが 1 日中室温を管理し、未使用の電気はバッテリに蓄電します。
「みなさんは、家の中にいて何かトラブルが起きない限り、エネルギーについて考えることはないかもしれません。しかし、住まいの電化が進んでいる現在、電力がどこから供給され、どのように使用されているのかに注目が集まっています」と、TI のエネルギー インフラ担当ゼネラル マネージャーの Henrik Mannesson は述べています。
おそらく人生の中で最も大きな買い物は住宅でしょう。その住宅は、日々の生活で利用しているテクノロジを支えるエネルギーのハブとなりつつあります。
「私たちの多くは EV、ソーラーパネル、バッテリ エネルギー貯蔵システムに投資していますが、結果として私たちは自分の家をエンジニアリングしています」と TI のモニタリング / 保護担当システム マネージャーの Brandon Kanter は述べています。「また、火災を防ぎ、エネルギーを無駄なく使用し、住宅を保護するために、UL1699 のような安全基準が定められ、故障保護要件が厳しくなっています。」
では、こうした変化は住宅オーナーにどのような価値をもたらすのでしょうか。
電力消費が増加しても安全性を維持
自宅に負荷の高い電気機器を導入するときに気になるのが家族や財産の安全です。インテリジェントな保護システムであれば、潜在的な危険性を事前に検知し、火災の原因となるアーク故障を防ぐことができます。このようなアーク故障は意図しない電気放電によるもので、配線やコネクタの劣化などが原因で起きることがあります。
アーク故障による財産損害は年間で 14 億ドルにのぼりますが、すべてのアークが危険なわけではありません。つまり、最新のホーム エネルギー システムには、正常な電流の挙動と危険な状態をリアルタイムで判別することが求められます。
アーク故障や接地故障から保護する回路ブレーカーなどの安全装置は以前から存在しています。しかし、現在の住宅はスマート化が進み、消費電力も増えています。家庭内の高電圧機器の数も増加しているため、ブレーカーにもスマートな機能を搭載することが不可欠となっています。
「アーク故障を正確に検知するには、複雑なインテリジェンスが必要です。その実現にはエッジ AI 対応のマイコンが必要です」と、TI の MSP マイコン担当マーケティング マネージャーの Evan Lew は述べています。「私たちのマイコンはコスト効率に優れ、小型で、正確な検知に求められる計算能力とパフォーマンスを提供します。」
日常生活をより快適にするスマート技術
ヘアドライヤーを使っている最中に、突然ブレーカーが落ち、家中が暗くなって困ったことはありませんか。ヘアドライヤーや掃除機のようにブラシ付きモータを搭載している製品ではアークが発生することがあります。従来の回路ブレーカーでは、こうした電気的挙動を検知したときに誤遮断が発生し、安全のため家中の電気が止まってしまうことがあります。
「エッジ AI モデルを使用すれば、こうしたアークの種類を判別し、誤遮断の回数を減らすことができます」と Evan は述べています。「利便性は、信頼性の高いシステムが前提です。」
ネットワークに接続したスマート ブレーカーを使用すれば、落ちたブレーカーの復旧も簡単にできます。ガレージの分電盤の前まで行かなくてもスマートフォンからブレーカーをリセットできますし、冷蔵庫のブレーカーが落ちて食べ物が傷む前に通知を受け取ることもできます。
スマートホームの利便性はこれだけではありません。スマート回路ブレーカーやスマート メーター、通信機機能を備えた家電が相互に連携して機能することで、消費電力と電気代を抑えながら自動食洗機などを動かすことができます。
コネクテッド ホームで実現する賢いエネルギーマネジメント
EV を所有しているなら、電気代の安い時間帯に充電を済ませたいものです。では、実際にどこで電気を消費していて、どこを最適化すればよいかを正確に把握するには、どうしたら良いでしょう。
賢い消費判断に役立つデータを提供する上で鍵となるのが半導体技術です。電力負荷の監視と制御を行うデバイスがあれば、EV の充電に最適な時間を特定することができます。また、電力負荷を管理するデバイスがあれば、家に誰もいないときに不要な家電の電源を切ることができます。
高精度なアナログ技術は、スマート メーターやブレーカーの信号から有益なデータを抽出します。そのデータをエッジ AI で処理し、機器の故障や不安定な動作などを特定できます。また、家の特定エリアの消費電力がいつもより多いかどうかを調べたり、使用状況に関するデータを収集することもできます。
「蓄電システムやポータブル バッテリ パックがあれば、停電時でも家全体を低消費電力モードに切り替えるも可能です。インテリジェントな負荷監視によって、一部の家電をオフにして消費電力を抑え、バッテリの駆動時間を長くすることができます」と Brandon は述べています。
エネルギー豊かな住まいの未来
今後 5 年間で、太陽光発電は世界の再生可能エネルギー成長の 80% を占めるようになります。
しかし、私たちの期待は変わりません。それは、家族が家で安心して過ごせることであり、スイッチを押すだけで、明かりが点き、自動車が充電され、壁の向こうにあるシステムが機能することです。
家の中で使われる家電製品が増え続けていますが、効率的なエネルギー消費と安全で便利な暮らしの原動力となるのは、回路ブレーカーやスマート メーターをはじめとするインテリジェントな技術です。
「スマートフォンのアプリひとつで、家の電力消費を可視化し、管理できればいいですよね」と Brandon は述べています。「これは現実のものになりつつあります。数年のうちに、エネルギー データは電力会社に送信されるだけではなく、家に住む私たちの手元にも届けられるようになっていきます。インテリジェンスがどこにあっても、TI はそれを可能にする技術を提供していきます。」